第50回技術・家庭科教育研究大会
札幌大会のホームページ
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インターネット推進委員会

マルチメディアの活用とインターネットの利用の可能性を求めて

平成10年度北海道技術家庭科教育研究大会

札幌大会インターネット推進委員会構想案

 

目次
1.はじめに 2.インターネットとはどんなものか 3.インターネットで何ができるのか 4.コンピュータ室からの接続 5.インターネットの授業での活用
6.大会作業概要 7.システム構想 8.Webによる研究授業に関する授業公開 9.インターネットメールを使用した会議システム 10.研究大会での取り組みの目的
11.現在考えられる課題 12.今後のインターネット推進委員会活動 13.インターネット推進委員名簿 14.メーリングリスト  

はじめにWB00489_2.gif (666 bytes)

高度情報通信社会の進展に伴い,マルチメディアの教育での利用やインターネットの利用が学校教育の中でも,現実のものになりつつある。
たとえば,100校プロジェクトなどで,学校にインターネットが接続されて3年になる。平成8年度には,こねっとプランにより全国で1000校,北海道で33校(平成9年度から40校)がインターネットに接続できる環境になっている。
このように実験的な段階ではあるが,学校への接続がはじまった。
さらに,町村信孝文部大臣は11月4日閣議後の記者会見で、2003年までにすべての学校をインターネットに接続する方針を明らかにした。
全国のすべての国公私立の学校を対象に、2001年までに中・高等学校および特殊教育学校、2003年までに小学校をインターネットに接続するとした。 また国公立の学校に関しては通信費やインターネット接続料として約81億円を地方交付税で措置するよう自治省に求めていくとしている。
このような状況において札幌市の学校におけるインターネットに関する調査,研究,実験を目的として,技術家庭科部会にインターネット推進委員会が設置された。
今後,予想される各学校へのインターネット環境の整備がスムーズに進むよう準備を行うとともに解決すべき課題についても検討していきたい。
また,本年度札幌で開催される第50回北海道技術・家庭科教育研究大会札幌大会におけるインターネットを活用した実験を中心に,インターネットの学校での活用についての準備を進めたい。
 

インターネットとはどんなものかWB00489_2.gif (666 bytes)

その歴史

インターネットの歴史は,1970年代初めにアメリカの国防省で軍事利用プロジェクトとしてはじまった。
もしも、軍事施設が破壊されても、情報が他に残っている施設に送信できる,という設計になっていたようである。(ARPAnet)1980年代初めにアメリカ各地の研究施設にあったローカルエリアネットワーク(一番簡単なネットワークは現在札幌市の中学校に入っているコンピュータ教室のネットワークと同じようなもの)がARPAnetとの接続を始めた。
このネットワークの基本技術がデータを確実に目的の場所に転送されたので活用されるようになった。
1980年代の後半National Science Foundation(NSF)がスーパーコンピュータのセンターを5カ所に設置し,NSFnetという独自のネットワークでそれぞれを接続を開始した。
ARPAnetと同じ技術で、各センターは特別な電話回線で物理的に結ばれていたので回線使用料が莫大にかかっていた。その後、地域ネットワークを何カ所かに構築しデータを順次受け渡せるようにして高額な回線使用料の節約をしていった。
その後、教育機関や、政府機関が新たにネットワークを開発してNSFnet加入し、より高速な回線や高速なコンピュータが導入され世界中にインターネットが広まっていった。
1990年代の始めに民間企業も参入を始め、ここ数年で一般にも広く普及していった。 これがインターネットの歴史である。
最近は、ISDNデジタル回線の普及も爆発的な勢いで,それに伴い,多くの人々が個人レベルでのインターネットの利用が行われている。
 

インターネットで何ができるのかWB00489_2.gif (666 bytes)

・コミュニケーション手段としてインターネットメール(e-mail)やインターネットニュースが利用できる。
 
・インターネット検索を利用して世界中のWeb(WWW=World−Wide−Web ワールド・ワイド・ウ エブの略で蜘蛛の巣状に世界中に張り巡らされた網の目のイメージ)から情報を得られる。
・自分が情報の発信者となって世界中に情報を発信できる。

この3つが一般的な利用方法となる。


コンピュータ教室からの接続WB00489_2.gif (666 bytes)


学校から,インターネットに接続できる環境になった場合,教室からの接続は,上のイメージで接続が可能である。
現在,札幌市にでは北野台中学校ほか数校が,ISDNというデジタル電話回線を使って,プロバイダ(インターネットへの接続業者)に接続し,そこから専用線を使ってインターネットの世界に接続するという方法をとっている。
この方法では,NTTの電話回線を利用しているので,3分10円の通話料金と,プロバイダに支払う接続料金でインターネットを利用できる。
ほかには,専用線で直接学校にインターネット接続を可能にする方法がある。
この方法では,24時間インターネットへの接続が可能になり自分の学校にインターネット用のサーバをおくことも可能になるが,現在はまだ,多くの費用を必要とする。
最近,実験が行われはじめているケーブルテレビ(CATV-LAN)のケーブルを利用する方法も将来に向けての可能性がある。
このように何種類かの接続方法が考えられるが,後述するTV電話会議システムを授業で活用するためには,現在の段階では,ISDN回線を使うことにより可能になる。
しかし,技術の進歩はめざましく,2年後には,全く違う方法でこのTV電話システムが稼働する可能性もある。
電話と同じように双方向の通信が可能なこのシステムは,今後,かなりの勢いで普及することが予想されている。
 

インターネットの授業での活用WB00489_2.gif (666 bytes)

インターネットを利用した授業はどのようなものが考えられるのだろうか。
 
1.電子メール
学校はもとより一般社会の人たちとの電子メールを使ったやりとりにより情報の交流や,連絡が 可能になる。
教科での利用や特別活動での利用が考えられる。
 
2.検索エンジンからホームページに接続WB00489_2.gif (666 bytes)
各教科での調べもの
情報を検索するシステムを使って,必要な情報の収集が可能になる。教科書や資料集よりさら に新しい情報が入手可能となり,より現実的な,資料を活用できる。
 
3.情報の交流
学校や官庁,民間企業を結び必要な情報の入手や発信が可能になる。図書館などを使って資 料の検索をしたり,電話,手紙などの通信手段を利用するより,速く必要な情報が交流できる。
 

研究大会での作業の概要WB00489_2.gif (666 bytes)

平成10年度札幌市で開催される第50回北海道技術・家庭科教育研究大会札幌大会においてインターネットとフェニックスを使って各会場校を通信網で結びリアルタイム情報交流システムを構築し、開会式から基調講演,各会場の教室の状況や授業の様子、分科会の様子などを、TV会議システム、画像転送システム、インターネットメールなどを駆使し情報の伝達や交流、授業の速報を行うほか、各会場校を結び情報の交流をはかる実験を初の試みとして実施する。
現在考えられる最新の、マルチメディアを最大限活用した、実験的な取り組みではあるが、近い将来学校に外部と結ぶ線が導入された時に、授業での活用も可能な標準的なシステムとして活用するための準備とし,課題の見直しをし、今後さらに改善し、広く利用できる形態となることを考えた。
 

システム構想

・TV会議システム(ISDN回線を使ったNTTのフェニックスを利用)
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各会場校をTV会議システムで結び中継や会議を行う。本部会場から9カ所の会場を結び中継をする。また,各会場校の情報を流し,ビデオプロジェクタなどを使い、各会場内にその様子を流す。
さらに、授業の様子をインターネット上にリアルタイムで掲載し、その様子を見た遠隔地の参加者との交流をはかる。
 

必要なシステム

ISDN回線、NTTフェニックス。
PhoenixはWindows95が 動ごく、PCIバス搭載のパソコンに接続 し,ISDN回線を使ってパ ーソナル会議 をおこなうための装置である。

ハードウエアの構成はPhoenixボード,小型カラービデオカメラ,イヤホンマイク。これにPhoeni x用のソフトウエアをインストールすることによってTV会議ができるようになる。
通常はパソコン同士をつなげて会議をするが,MCU(多地点接続装置)を使うと1000校を結んで の会議も可能になる。
技術家庭科の本年度の札幌大会ではこの多地点接続装置を使って9会場を結んでそれぞれの会 場の様子を、画像と音声を使って伝えようという未来の研究会を想定した実験を試みようというも のである。
このために,各会場にはISDN回線が必要になってくる。ISDN回線はBチャンネル2本とDチャンネル1本を利用できるので,画像,音声データの送信受信を同時に行うことができるのである。この システムでは,たとえば,ビデオカメラで録画した画像や,パソコンによるプレゼンテーションにも対応しており,液晶プロジェクターを使って各会場のコンピュータ教室で見ることができる。
本年度の研究大会では開会式,全体提言,生徒交流の場面での利用を考えている。
昨年度秋の部会集会でも向陵中学校−木村製作所−陵陽中学校を結んで実験的に利用してみ たが,授業での活用も期待でき,今までにない現場と結んでの学習や離れた地域を結んでの交流 授業も可能になる。
今までのTV放送やラジオ放送は一方的な情報を受け入れるだけのシステムであったが,手紙,電 話,FAX,インターネットメールと同じように双方向の通信ができるという点で今後普及の可能性が 高いのである。
・画像転送システムを使った授業の中継と記録の保存(Web-noteの利用)
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各会場の授業の様子や状況などの写真・解説などをwwwサーバーに転送。それぞれの会場の様 子をどこからでも見ることが可能なシステムを構築し,ホームページとして公開する。
さらに、その情報に対しての感想や意見が述べられるシステムにする。
このシステムを利用することにより,直接研究会に参加できない場合でも,インターネット上で札幌 の各会場の様子を知ることができる。
さらに,このホームページは研究大会の記録となり必要な時に必要な人が見ることのできるもので ある。
当日のフェニックスを使った動きのほかに,研究会の様子を記録するシステムとしてこのWeb−Noteは,デジタルカメラで撮影した画像を簡単に送信することができるので,FTPの方法がわからな くてもホームページを作成する事が可能になる。当日は9会場分の独立したホームページをたちあげ会場の様子を伝えたい。
 
50回研究大会のURL

札幌大会

ホームページからこのシステムの内容について見ることが可能である。
 
必要なシステム
ISDN回線、ダイアルアップルータ、HUB、モバイルコンピュータ,プロバイダ,データ保管サーバ ーなど。
 

・Web(ホームページ)による研究授業に 関する情報の公開WB00489_2.gif (666 bytes)

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インターネット上にこの研究大会のWeb(ホームページ)をたちあげ,大会案内や準備段階の様子 などの報告も行う。準備状況や授業の計画内容・指導案なども見ることが出来るようにする。
また,研究大会参加の申し込みも可能にしたい。
新たな取り組みのため失敗も予想されるが,今回の研究大会での取り組みが,今後につながっていくための準備としてとらえたい。
さらに、研究大会が終わったあともこのホームページ上で当日の様子や記録を見ることが出来るよ うにしておく。
今まで、研究授業の様子は参加者した者しか知ることができなかったが、このシステムを活用すれ ば、いつでも記録を見ることが可能になる。
また,必要な情報を印刷したりする事も可能である。
必要なシステム
Webを置くサーバー。Webを作成する人など。また,この計画を推進するために各領域の担当者 は,作成した文書を指定の形式で保存しインターネット推進委員会に送る必要がある。
このため,準備段階からの資料を整理しておく必要がある。
このデータはNCF98(ネットワークコミュ ニティーフォーラム)21世紀教育ワーキンググループのサ ーバ(onko)に置いた。
98年6月までに基本的なWeb(ホームページ)を作成予定である。
 

・インターネットメールを利用した会議システムWB00489_2.gif (666 bytes)

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授業の準備から技術面、会場設営計画、研究紀要の作成までインターネットメールのメーリングを 使い、話し合いを進めることも可能である。この中で出てきた課題の中で解決が困難な問題点は実 際に会議を行って解決する。オンライン、オフラインの会議を通して研究授業の準備を行おうという 計画である。
ただし,今回はこの件について,各領域の担当者が電子メールを使える環境にない場合,困難な 方法になるので,あくまでも実験的に行うことになる可能性が高い。
将来的にインターネットがすべての学校に接続されたとき有効なシステムになるであろうと予想さ れる。
現実に,昨年度開催された北海道発明工夫教育連盟の研究大会では,このシステムが使われ, わずか一月の間に500通のメールのやりとりが行われたが,準備のための会議は2回で研究授 業を行うことができた。
ネットワーカーたちが授業支援者となり,生徒たちにとっても意義のあるものとなった。
今後,インターネット推進委員会を中心に,インターネットに関する研修などの開催に向けて必要な プログラムを検討中である。情報基礎が必修になり,インターネットへの接続が開始されるという状 況で,産, 官,学,民の共同での準備活動が必要になると考えられる。

必要なシステム

メールサーバー, メーリングリスト。これについては標茶中村田先生の協力で運営する。
電子掲示板,チャット
 

研究大会での取り組みの目的WB00489_2.gif (666 bytes)

これらのマルチメディアを活用したシステムを実験ケースとして用い、21世紀を見通した研究会がどのような形で実施できるのかという実験を会場や・遠隔地からの参加者に体験してもらうと共に未来の研究会をイメージしてもらう。
また今回出てくることが予想される解決すべき課題などを整理し、いつでもどこでも誰もが活用できるシステムの構築をはかりたい。
 

現在考えられる課題

インターネットに関する課題は後でまとめるが,現段階のコンピュータシステムを考えた場合,Mac-osの漢字TALKシステムやWINDOWS95の出現によって人−コンピュータのインターフェイスが向上したとされている。
しかし,これらのシステムもまだまだ完成されたものとはいえず,使いこなすためには高度な技術が要求される部分もあり,今後さらに使いやすいシステムの開発が必要である。
インターネットやデジタル電話回線を使った今回の研究大会での取り組みを通してこれらのことにもふれてまとめをしていきたい。
技術家庭科の教員が,ためらわずに,「情報基礎領域」の指導やインターネットを活用した授業ができるようこれからの準備をすすめたい。
コンピュータは算盤やはさみや鉛筆と同列の単なる道具である。しかし,難解な言葉が並びそれを理解するのに時間がかかる。
多忙な業務を抱える教育現場の教員にとってやっかいな物と受けとめる考えもあるが,我々は初心に返って「自分で調べる」わからなければ「人に聞く」さらに意欲的に学ぼうとする姿勢が必要に感じる。
最初からわからないからやらないでは生徒に申し訳ないのである。
 

今後のインターネット推進委員会の活動についてWB00489_2.gif (666 bytes)

現段階で,実質的な動きができない状況ではあるが,次のような日程で今後の活動を行っていきたい。
委員のミーティングについては3月に第1回のインターネット推進委員会を開催した。
その場で,今後の活動と作業について確認をした。

平成10年

5月 札教研地区集会インターネット

北野台中。地区の技術家庭科教員対象。
フェニックスについての研修。
研究大会参加申し込みフォーム作成。
研究大会メーリングリスト作成。

6月 ホームページの完成と公開。

CGIの研究とWebNoteの作成。
画像転送実験。
NTT等との打ち合わせ。
研究大会掲示板作成。

7月 速報発行についての検討。

インターネット研修会

8月 インターネット講習会

北野台中。札幌市の技術家庭科教員対象。

9月 研究大会準備活動開始。

各種実験,準備など。

10月 研究大会実施。

このような準備日程で作業を進めたい。

 

インターネット推進委員

(平成10年5月現在)

顧問 嶋崎 良隆

推進委員長 尾崎 廉 (北野台中)

福士 義範 (西野中)  堀米 裕二 (平岸中)

柏木 伸大 (常盤中)  木内 成人 (福移小中)

浅井 信孝 (八条中)  安藤 明伸 (青葉中)

竹下 哲哉 (北辰中)

Webサーバ onko.ncf.or.jp
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ACE教育とコンピュター利用研究会
北海道支部専用サーバー利用

今回の研究大会に向けて準備のためのML(メーリングリスト)を開設いたします。

参加できる方

・インターネット推進委員
・札幌市の技術家庭科の教員
・その他必要と認められたかた

やっていいこと

・準備に関する連絡メール
・インターネットに関すること
・技術家庭科についてのこと
・その他

誹謗中傷攻撃的な発言はしない。
うそは流さない。
その他


メーリング参加希望者はozakiys@mb.infosnow.ne.jpまで連絡をください


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