選択、2年次前期、実習・2単位・60時間
担当教員:武田亘明・片山めぐみ・小宮加容子
■ 科目のねらい
市民がより良く生きるための身近な暮らしに関する(1)課題の発見(2)解決策としての具体的なモノやコトの策定(3)プロジェクトの実施・運営について、身近な生活空間や家庭、町内などのコミュニティ内でのコミュニケーションを促進することをとおして実践的に学ぶ
■到達目標
①資料や現地の調査,聞き取りやワークショップにより現状と課題を把握・分析することができる.
②課題の本質を解明し,デザイン思考を以て効果的な解決策を策定することができる.
③市民参加型の地域連携プロジェクト活動を運営・推進することができる.
■ 授業計画・内容
■課題1: テーマ:子どもと社会(子どもの育ちと地域コミュニケーション)
以下の関係項目を文献や資料で調査および現地で調査し,子どもの育ちと地域コミュニケーションに関する現状と課題についてまとめ,レポートを提出すること.
*提出期日:2019年4月22日までに,
*提出先:commonフォルダ内に提出.
*内容:題名は各自決めること.参考文献(web)を記載すること.
*A4判2ページ(2000文字以上)word形式またはPDF形式.
1.子どもと社会について,現状はどうなっているのか調べてみよう.
(1)地球規模の問題はどうなっているのか?
環境問題,民族問題,宗教対立問題,貧困問題,南北問題・・
(2)日本社会はどのように変化しているのだろうか?
予測不可能な社会,多様性LGBT,多様な価値,消える職業,競争社会,共創社会,国際化・・
(3)市民同士の関係はどのような状態なのだろうか.
孤立,コミュニケーション,メディア,多様な交流,多世代間交流・・
(4)地域社会ではどのようなことに取り組んでいるのだろうか?
地域創生,まちづくり,ソーシャルビジネス,学校を核とした地域づくり・・
(5)子どもは地域でどのような状況に置かれているのだろうか?
孤食,メディア内での生活,学力,体験すること,地域で暮らす・・
2.現代社会で,子どもについて,どのような課題があるのだろうか?
・経済:家庭と社会のお金のこと
・環境:家庭,生活環境,身近な地域社会環境,メディア環境
・家庭内学校内地域社会内の人間関係
・子どもの居場所
・心身の健康
・安全安心(生活,交通,災害,情報)
3.何を目指して,何をすることが求められているか?
・家庭,学校,塾,子どもの居場所づくり
・子どもが,考えて,話し合って,組み立てて,取り組んで実感すること
・人生の目標,有用感,達成感,キャリアデザイン
・信頼関係,コミュニケーション
・学力,主体的,対話的で深い学び,学習活動,体験活動
4.施策・実践事例を調べてみよう
・第3の居場所(家庭,学校,+a)子ども食堂・・
・市民とともに地域で学ぶこと
・家庭,地域社会との連携
・地域学校連携事業(子ども総合プラン,学校支援地域本部,学校運営協議会コミュニティスクール)
・施設:児童会館,塾,子ども食堂,放課後子ども施設,図書館,公民館,博物館
■課題2:子どもがそれぞれの人生を自分らしく生き抜く力を育むために何ができるだろうか?
■テーマ:『子ども育ちと地域の多世代コミュニケーションを支援するコミュニティカフェ』
現代の子どもたちは、家庭や学校環境の変化により、大勢での遊び、家族以外の異世代や障害を抱えた人々との関わりを失いつつあります。この関係性の喪失は、コミュニケーション力の低下だけでなく、大人になってからも社会の中での生きにくさ、アイデンティティの喪失に繋がる恐れがあります。この授業では、子育て現場で奮闘する法人とともに、子ども育ちと地域の多世代コミュニケーションを支援することを目的に、コミュニティカフェの企画、運営に挑戦します。
「コミュニティ・レストラン」(コミュニティカフェ、地域食堂を含む)とは、「食」を核にしたコミュニティ支援モデルであり、生活支援センター機能、自立生活支援機能、コミュニティセンター機能、人材育成機能、循環型まちづくり機能があるとされています。全国的にその数が増えている一方で経営難で閉店に追い込まれる店舗も多いのが現状です。近年は「こども食堂」が社会現象と言われるほど注目されており、地域でのこどもの見守りや食事支援の役割を担っています。デザイン学の範疇を超えて、社会福祉や社会学においても孤独・孤立社会における「ソーシャルキャピタル」や「パーソナルネットワーク」としても研究されています。
■課題2 内容
場所は、「NPO法人はる」*の所有する空き店舗とします。学習塾や放課後等デイサービスを利用する子供たちだけでなく、地域の子どもたちも対象として具体的ニーズ把握を行い、ニーズに基づいた場のデザインを行います。また、コミレスが地域に波及する効果についても言及してください。
企画の前の調査が大変重要です。現代の子どもが育つ環境の問題およびコミカフェの事例、実際の現場のニーズをしっかり調査してください。調査結果に即したコミカフェの企画、運営を評価します。
■その他注意点
・グループの穴試合の内容などを,毎回、全教員宛にccして送付すること.
・コミカフェなどへの交通費は,各自負担.
・コミカフェなどイベントに掛かるモノはあるものを工夫して活用し,新規費用は,事前に教員に相談すること.会計担当者は帳簿をつけること.
・開催当日は、アンケート調査などを実施して企画の検証をすること。
・現地調査の際の緊急連絡先は片山先生まで:090−6217−0709
・8/5の提出物はグループ毎にまとめ,印刷物とデータの両方を提出すること.
・仕様は:梗概(A3サイズ1枚)/ポスター(A1サイズ1枚)/スライド(5分程度の口頭発表用)
・提出物データの送信先は、全教員宛にccして送付すること.
・発表用ポスターの印刷はコース予算から支出します.プリンタ用紙は購入済みです.
■授業スケジュール
*全員参加ですので,事前に予定調整してください.
第1回 4/8(月):1講目_授業ガイダンス@大学図書館
2講目_「NPO法人はる」河西氏 講義@大学図書館
第2回 4/15(月):1講目_「NPO法人はる」訪問
2講目_現地調査
第3回 4/22(月):1講目_調査内容の発表会(提出物:レポート)@大学図書館
2講目_グループ分け/企画会議@大学図書館
第4回 5/13(月):企画会議@大学図書館
第5回 5/22(水):3〜4講目_企画会議/準備@現地
第6回 5/25(土):コミカフェ開催
第7回 5/27(月):1講目_振り返り@大学図書館
2講目_ゲストスピーカー 講義@大学図書館
第8回 6/10(月):企画会議@大学デザイン実習室1
第9回 6/17(月):企画会議@大学デザイン実習室1
第10回 6/24(月):企画会議@大学デザイン実習室1
第11回 7/8(月):企画会議@大学デザイン実習室1
第12回 7/10(水):3〜4講目_企画会議/準備@現地
第13回 7/13(土):コミカフェ開催
第14回 7/22(月):振り返り、発表会準備@大学デザイン実習室1
第15回 8/5(月):1講目_発表会準備@大学図書館
2講目_最終発表会(提出物:梗概/ポスター/スライド)@大学図書館
オープンキャンパス発表会 9/21(土):原則、全員参加
■市民・高校生向け発表会(オープンキャンパス)
9月21日土曜日のオープンキャンパスで学科コースの模擬授業の中で,学生の取り組み事例として発表します.
8月5日の最終発表会を踏まえ,グループごとにさらにブラシュアップし,スライドを使って発表します.また梗概を踏まえて,ポスターや写真などを整えて展示します.
■事前・事後学習
毎回の授業で、関係する資料を示し調査・検討をしてくるよう具体的に指示する。
■教科書
特に指定しない.適宜資料を配布する.
■参考文献
「ソーシャルデザインアトラス」鹿島出版会,2012
「ソーシャルデザイン実践ガイド」英治安出版,2013
「世界を変えるデザイン〜ものづくりには夢がある」英治出版,2011
「インクルーシブデザイン〜社会の課題を解決する参加型デザイン」2014
「デザイン思考が世界を変える」ティム・ブラウン,ハヤカワ・ノンフィクション文庫, 2014
「里山資本主義」藻谷浩介NHK広島取材班,KADOKAWA,2013
■ 教科書
適宜、資料などを配布する。
■成績評価基準と方法
○授業態度 20%:積極的な協働⇒評価する到達目標①
○発表 30%:効果的な提案⇒評価する到達目標③
○企画課題 30%⇒評価する到達目標②
○出席 20%:2/3以上の出席⇒評価する到達目標②
■ 関連科目
「札幌を学ぶ」「情報社会論」「コミュニティデザイン論」
■ その他(学生へのメッセージ・履修上の留意点) |