以下のページは,4月はじめ当初の授業計画です.
新型ウイルスの感染拡大への対応として対面授業をできるだけ行わないで,
文献による調査研究などを行いレポートを提出したり,企画立案して提案型レポートの提出と発表による
授業に変更することになりました.
変更後の授業のページはこちら!
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
講義開講時期:前期 講義区分:実習 基準単位数:2 時間:60.0 必修・選択区分:必修
学部等:デザイン学部 開講年次:2年次 科目分類:専門教育科目/発展
■科目担当:武田亘明 片山めぐみ,小宮加容子
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■科目のねらい
市民がより良く生きるための身近な暮らしに関する(1)課題の発見(2)解決策としての具体的なモノやコトの策定(3)プロジェクトの実施・運営について、身近な生活空間や家庭、町内などのコミュニティ内でのコミュニケーションを促進することをとおして実践的に学ぶ.
■到達目標
①資料や現地の調査、聞き取りやワークショップにより現状と課題を把握・分析することができる.
②課題の本質を解明し、デザイン思考を以て効果的な解決策を策定することができる.
③市民参加型の地域連携プロジェクト活動を運営・推進することができる.
■事前・事後学習
毎回の授業で、関係する資料を示し調査・検討をしてくるよう具体的に指示する.
■教科書
特に指定しない.適宜資料を配布する.
■参考文献
「ソーシャルデザインアトラス」鹿島出版会,2012
「ソーシャルデザイン実践ガイド」英治安出版,2013
「世界を変えるデザイン〜ものづくりには夢がある」英治出版,2011
「インクルーシブデザイン〜社会の課題を解決する参加型デザイン」2014
「デザイン思考が世界を変える」ティム・ブラウン,ハヤカワ・ノンフィクション文庫,2014
「里山資本主義」藻谷浩介NHK広島取材班,KADOKAWA,2013
■成績評価基準と方法
○授業態度 20%:積極的な協働⇒評価する到達目標①
○発表 30%:効果的な提案⇒評価する到達目標③
○企画課題 30%⇒評価する到達目標②
○出席 20%:2/3以上の出席⇒評価する到達目標①②③
■関連科目
「札幌を学ぶ」「情報社会論」「コミュニティデザイン論
●全体テーマ:地域の多様な多世代間コミュニケーション
人口は減少し,少子高齢化が進み,一人暮らしが増え,労働人口の減少で税収は減り,社会は大きく変化している. 家庭や学校環境の変化により、地域での大勢の遊びや家族以外の人々との関わりが減少し,地域社会での人間関係は希薄化するなど地域力の低下が指摘されている.地域の暮らしは,地域市民自身によって担っていかなければならない.
本授業では、(1)地域交流・食と心身の健康の現状と課題に関する調査研究と(2)地域の多世代コミュニケーションを活性化することを目的にしたコミュニティカフェや交流イベント企画、運営に挑戦する.
●授業日程
地域との交流などを行うため,変則的に,月曜日1,2講目,水曜日4,5講目および土曜日に実施する.各自日程表で確認しておくこと.
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
課題1:地域交流・食と心身の健康の現状と課題に関する調査研究
関係項目を文献や資料で調査および現地で調査し,地域コミュニケーションに関する現状と課題についてまとめ,レポートを作成し提出する.(テーマは各自決定すること)
●主な活動
(a)地域交流と市民活動について講演(こまおかあさんプロジェクト 代表 小林真美)
(b)市民活動・地域食材の調査
(c)各自テーマにより調査,発表
●レポート提出と発表会
5月27日水曜日,4講目までに,教員へデータでレポート提出 > 印刷して発表会資料に.
5月27日水曜日,5講目,図書館2階特別閲覧室
●調査のポイント
1.地域社会について,現状はどうなっているのか調べてみよう.
(1)地球規模の問題はどうなっているのか?
環境問題,民族問題,宗教対立問題,貧困問題,南北問題・・
(2)日本社会はどのように変化しているのだろうか?
予測不可能な社会,多様性LGBT,多様な価値,消える職業,競争社会,共創社会,国際化・・
(3)市民同士の関係はどのような状態なのだろうか.
孤立,コミュニケーション,メディア,多様な交流,多世代間交流・・
(4)地域社会ではどのようなことに取り組んでいるのだろうか?
地域創生,まちづくり,ソーシャルビジネス,学校を核とした地域づくり・・
(5)子どもや高齢者は,地域でどのような状況に置かれているのだろうか?
孤食,メディア内での生活,体験すること,地域で暮らす・・
2.現代社会で,各世代に,どのような課題があるのだろうか?
・経済:家庭と社会のお金のこと
・環境:家庭,生活環境,身近な地域社会環境,メディア環境
・家庭・学校・地域社会・ネット空間内の人間関係,心身の健康
・安全安心(食,生活,交通,災害,情報)
3.何を目指して,何をすることが求められているか?
・触れ合い,市民が考えて,話し合って,組み立てて,取り組んで実感すること
・人生の目標,有用感,達成感,キャリアデザイン,人生100年
・信頼関係,コミュニケーション,絆づくり,主体的,対話的で深い学び,学習・体験活動
4.施策・実践事例を調べてみよう
・第3の居場所(家庭,学校,+a)子ども食堂,コミュニティ・レストラン
・地域医療,地域福祉,地域教育,生涯学習
・地域学校連携事業(子ども総合プラン,学校支援地域本部,学校運営協議会,コミュニティスクール)
・施設:児童会館,公園,子ども食堂,町内会館,老人介護施設,図書館,公民館,博物館
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
課題2:地域多世代間コミュニケーション(地域全体の多様な交流を考える)
地域の多様な多世代間コミュニケーションを活性化するためのコミュニティカフェおよび交流イベントなどを企画・運営する.
まこまないキャンパスを会場にして,(1)地域現状と課題,具体的ニーズを把握し、(2)必要な場のデザインを行い,(3)実際に実施運営する.さらに,この取り組みの(4)効果を測定し,今後の検討課題を整理する.
●主な活動
(a)6月3日(水)4,5講目,まこまる/食と健康,交流メニュー講演と実習(札幌友の会豊平方面)
(b)7月4日(土)2,3講目,まこまる/お試しカフェと交流イベント
(c)7月23日(木,海の日)終日.まこまる/コミュニティカフェと交流イベント
(d)7月27日(月)1,2講目,デザイン実習室/まとめ,発表
(d )9月19日(土)オープンキャンパス(学科コース紹介)で,学生の取り組み事例として発表する.
●活動組織
・全体広報班(スケジュール,広報,全体運営,全体会計,全体まとめ)
・食事班(メニュー作成,材料,調理,配膳,評価まとめ)
・交流イベント班(イベント企画,準備,運営,評価まとめ)
などなど
●実施場所
・札幌市立大学真駒内キャンパス(図書室,ホームルーム,教室,講堂)
・まこまる内,「カフェまこまる」の厨房とカフェスペース(「Coみどり」から借用)
・まこまる「図書室」
■その他
・情報共有:グループの話し合いの内容などは,毎回、全教で共有する.
・会計:イベント材料.食材,パネルなどは,事前に教員に相談する.会計担当者は帳簿をつける.
・最終提出物:まとめ(A3サイズ1枚),パネル(A1サイズ1枚),スライド(5分程度の口頭発表用)
*「コミュニティ・レストラン」(コミュニティカフェ、地域食堂を含む)
「食」を核にしたコミュニティ支援モデルであり、生活支援センター機能、自立生活支援機能、コミュニティセンター機能、人材育成機能、循環型まちづくり機能があるとされている.全国的にその数が増えている一方で経営難で閉店に追い込まれる店舗も多いのが現状.近年は「こども食堂」が社会現象と言われるほど注目されており、地域でのこどもの見守りや食事支援の役割を担っている.社会福祉や社会学においても孤独・孤立社会における「ソーシャルキャピタル」や「パーソナルネットワーク」としても研究されている.
以上 |